[今更誰得] CASIO PB-1000用外付けFDDのMD-100をGOTEKに付け替えて動かしてみた #カシオ #ポケコン


カシオのポケコン PB-1000 には外付けFDDのMD-100という周辺機器があります。ポケコン本体より大きく、一体型なので外付けっていうかドッキングステーション的な感じではありますが、まあそれはさておき。

2年前くらいに、不動品のMD-100をコンデンサ交換で奇跡的に復活させることができて、おかげさまで順調に使えています。

mobileFF's blog: [今更誰得] カシオ PB-1000用外付けFDDドライブMD-100を入手&修理 #カシオ #ポケコン
https://mobileff.blogspot.com/2020/11/pb-1000fddmd-100.html


まあこれはこれで何の問題もないのですが、その後、調子に乗ってもう1台別のMD-100を入手したのですね。こちらはコンデンサ交換もしなくて通電もできたのですが、残念ながらFDD部にダメージがあって読み書きができなくて、そのまま塩漬けになっておりました。

そんなところに昨年末から中の人に急に訪れたGOTEKブーム。

これまで、DynabookEZ486P、PC CLUB(PC-286C)、書院パソコンという誰得過ぎる機種にGOTEKを取り付けてきましたが、今回はこのMD-100にGOTEKをつけてみようというわけです。

GOTEKは34ピンのものを使います。Amazonだとこのあたりですかね。ブランド名がバラバラでいろいろですが、まあ写真にGOTEKと書いてあれば大丈夫じゃないかと思います。



MD-100のFDDのピンアサインを調べる

まずは下調べとして、MD-100のFDDのピンアサインを調べてみました。
CASIO系ポケコンのマニアック解析情報といえば、Piotr Piatek先生のページです。

Vintage programmable calculators
ここにある、MD-100の回路図を見ます。

http://pisi.com.pl/piotr433/md100_2.png より引用

パッと見た感じ、一般的なAT互換機の3.5インチFDDとピンアサインは変わらないようでした。まあ、ドライブは汎用品を使えないといけないでしょうから、そんなに特殊なつくりにはならないんだと思いますが、なにぶん古いものですし、変なピンから突如5Vとか出てたらまたGOTEKが煙を吹く羽目になるので、一応慎重に・・・。

でも、Piotr先生の回路図だと、6,12,14番ピンあたりに「+5V」って書いてて若干心配がよぎるんですよねぇ・・・


GOTEK側の準備

下調べができたので?次にGOTEK側の準備に入ります。

GOTEK本体は、FlashFloppyを焼いておいてください。

ジャンパは、[S0]と[JC]をショートしておきます。

続いて、1DDのブランクディスクイメージを作ります。


1DD用のブランクディスクイメージを作る

次に、GOTEKで使うディスクイメージファイルを用意しなければなりません。ここで問題なのは、MD-100のドライブは1DD(320KB)であるということ。一般的な2HDでもなければ、2DDでもありません。

まずは、実機から作るのが一番であろうということで、MSXの時に試した、

  1. MAHALITOで2DDディスクを物理的に読み出してイメージファイル化(.2dd/.dat)する
  2. Virtual Floppy Image ConverterでDATファイルをD88形式に変換
  3. NFCC Web版を使ってD88形式のファイルをDSK形式に変換
で、作ってみましたが、これは残念ながらダメでした。
そのままアクセスするとFM Errorになりますが、FORMATコマンドでフォーマットはできてそうな雰囲気。でも保存しようとするとやっぱりFM Errorということで、いったん断念。

で、だいぶ途方に暮れていたところ、偶然、HxC Floppy Emulatorの標準ツール?であるHxC Floppy Emulator Softwareに、任意のパラメータを与えてFDイメージファイルを作る機能があるのを発見し、試したところこれが正解でした。


で、MD-100の1DDのドライブのパラメータってどんな感じなのさ?っていうのがもう素人の中の人にはまるで分らないのですが、PB-1000のTechnical Reference Manualからパラメータの記述を発見。

PB-1000 Techinal Referenceより引用。
ちなみに画像は拾い物ですが、中の人は英語版の紙の原本を持ってますので、お目こぼしでお願いします。。。

これをもとに、HxC Floppy Emulator Softwareでイメージを作ります。

手順は以下のとおり。

(1) 初期画面で「Load Raw image」ボタンを押下します


(2) パラメータの設定画面になりますので、以下のように設定します。



  • Track type = MFM
  • Bitrate = 250000
  • RPM = 300
  • Number of Track = 80
  • Number of side = 1 Side
  • Sector per track = 16
  • Sector size = 256 Bytes
  • 上記以外はデフォルトのままで良い。Total Sizeが327680(320KB)になっていることを確認
Save configで今の設定を保存しておくと後々便利です。

(3) 同じ画面で「Create Empty Floppy」ボタンを押してブランクディスクイメージを作成します。

HxCのディスクイメージ形式のことは全く分からないのですが、320KBのディスクイメージですがベタイメージじゃないようでサイズが1.9MBになりますが、間違いではないと思いますのでそのままGOTEK用のUSBメモリにコピーします。


FlashFloppyのパラメータを設定する

FlashFloppyのパラメータを設定し、1DDドライブとして認識するようにします。
上記のHxCソフトで設定したのと同じようなパラメータ設定が、IMG.CFGというファイルで行えるので、USBメモリのルートフォルダにIMG.CFGファイルを作って以下のように記述します。

cyls=80
heads=1
bps=256
mode=mfm
rpm=300
rate=250
secs=16

パラメータの意味は、このあたりで確認ください。

IMG.CFG Configuration File · keirf/flashfloppy Wiki · GitHub https://github.com/keirf/flashfloppy/wiki/IMG.CFG-Configuration-File 

あと、要るかどうか自信ないですが、34番ピンの設定をDSKCHGにするかREADYにするかの設定に関係あるみたいなので、FF.CFGも設定しておきます。中の人は以下を記述しました。

interface=jppc
ejected-on-startup=no
twobutton-action=eject

2行目と3行目はイジェクトに関する設定ですが、多分要らないと思います。jppcというのが、34番ピンの設定を日本に多い?(PC98とか?)READY信号とみなす設定のようです。


MD-100にGOTEKを繋いで動作確認

ここまでできたら、MD-100を開腹し、GOTEKを接続します。
FDD部の上面のガワは、本体側(FA-7側というか)とネジで接合されていますが取り外したほうが何かと簡単なのでいったん取り外してしまうとよいでしょう。

取り外したFDD部上面のガワ。
一体成型じゃなかったんですね。


FDDの取り外しは、FDD筐体側(右側)のネジをいったん全部取って金属のフレームを浮かせないと、側面からFDDを固定しているネジが外せないので面倒ですが、ただ普通にネジを外すだけで大丈夫なので難しくはありません。

FDDにつながっているコネクタを外して、FDDを取り除き、そこにそのままGOTEKを繋ぎます。


34ピンコネクタと4ピンコネクタの位置がMD-100内蔵FDDと逆ですが、向きは元のFDDと同じ向きで接続してOKです。

PB-1000の電源を入れたら、まずはフォーマットしてしまうとよいでしょう。
GOTEKのLEDが、0、1、2・・・とカウントアップしていき、79になるとフォーマットが終了して表示がゼロ→000に戻れば、フォーマットOKです。



この数字は0からスタートして79で終わるところからすると、トラックの番号なんですかね。よくわかっていないですがw

ここまでエラー無く来れれば、あとは、普通にFDDのように使えると思います。ガンガンハードにロードテストしてないので、何か不具合があるかもしれませんが、ご興味おありの方は是非お試しください!

って、MD-100持ってないと試せないんですよね。ほんと誰得。。。ww

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ということで現場からは以上です。


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