Dell Inspiron 11 3180がモッサリしてしまったので改善を試みた話

年末の慌ただしいときに、突如、知人から、パソコンが遅くて使い物にならなくなったから見てほしいと言われ、できれば普通に使える状態に戻したいと言われ、見てみることに。

DELL Inspiron 11 3180というモデルで、聞けば3年位前にプライムデーで2万円切りだったので衝動買いしたらしく、CPUはAMD A6、ストレージはeMMC 64GBと以下にも非力を絵に書いたようなマシンで、そりゃ遅いわ、としか思えないスペックですが、動かしてみると確かに酷い。

ただ、11インチのコンパクトさはなかなか魅力で、愛らしいデザインではあります。

たぶん、購入当初はもうちょっと動いていたんだと思うのですが、おそらく要因としては、

  • ストレージが64GBしかなく、空き容量が少ないことからくるモッサリ
  • メモリが4GBしかないことからくるモッサリ
  • ストレージがeMMCであることからくるアクセスの遅さからくるモッサリ
あたりかなと見ました。
バックアップは取ってあるので、最悪壊れても仕方ないという条件で、開腹。

CPU


AMDのCPUです。なかなか写真を取る機会がなさそうなので、記念に。ただCPUは当然ながら直付けなので交換はできません。




メモリ


うっかりして写真を取り忘れましたが、このモデルは幸いにもメモリが基盤直付けではなく、モジュール式なので、交換が可能でした。

早速Amazonで16GBのメモリに交換。

最近の相場観はよくわかりませんが、16GBのメモリも7,000円切るくらいで買えるなんて、なんとも時代の流れを感じます。


ストレージ

さて、問題のストレージです。

こいつにもともと入っているのは、SanDiskのeMMCです。


これは基盤に直付けなので、外すことはできません。お手上げか・・・と思いながら基盤をよく見ると、不自然な空間と不自然な基板上のパターンが。


ピン数と配置から、SATAコネクタと思われます。実際、当該機種と型番が近い別モデルではHDD搭載のものもあるらしいんですね。で、HDDをSSDに替えてスピードアップ、という事例も見かけました。

もしや、それならここにSATAコネクタをつければ・・・と期待してつけてみたのですがw


あえなく撃沈。実際のところは、コネクタ跡地なのは確かだが、HDD/SSDとして駆動するために必要なほかのICもついていないので、動作させるのは至難の業であるということでした。

Discount Dell Inspiron Laptop Lacks SATA Connector – New Screwdriver https://newscrewdriver.com/2018/09/01/discount-dell-inspiron-laptop-lacks-sata-connector/


まあ、ストレージは無理かなぁ・・・と思いつつネットをさまよったところ、DELLのユーザーフォーラムにこんな書き込みを発見。

https://www.dell.com/community/Inspiron/Inspiron-11-3000-3180-mini-PCIe-M-2-SSD-Upgrade/m-p/7433604/highlight/true#M69912


3180 にストレージを追加しようとしている人のために、WLAN モジュールを NVME ドライブに交換できることを確認しました。そのためには、次のものが必要です。

1) M2 A/E Key to M key アダプター
2) M2 NVME SSD (NVME である必要があります。SATA AHCI SSD は試してみると動作しませんでした)

私が購入したアダプターは次のとおりです。
Sintech M.2 (NGFF) NVME SSD - M2 A/E Key WiFi ポート 20cm ケーブル


この辺になると中の人も未知の範囲なのですが、最近のノートPCやUMPCにはモバイルデバイス用の小型のPCIソケットがあるらしく、当該機種の場合はWiFi、Bluetoothモジュール用にM2 A/Eタイプのソケットが付いています。

ただこれは上記の通りWiFiとかBTモジュール用のスロットで、M.2 NVME SSD用ではないため、変換コネクタが必要ということのようなんですね。

同タイプのアダプターを国内で入手できないか探したのですが、見つけられなかったので、米アマゾンで直接購入。円安+送料で、なんだかんだこれも7,000円近く・・・泣けるw

ちょうどアメリカに大寒波が来ていたために航空便の欠航が続いたりして、予定よりは時間がかかりましたが2週間ほどで到着。

ブツはこんなかんじ。


コネクタ部分はこうです。


これに、上記書き込みにあったようなM.2 NVME SSDを取り付けます。512GBとかでも良かったんですが、アンダー2万円で買ったノートPCに、7,000円のメモリと7,000円の変換アダプタという出費がすでにあるので、流石に自重せねばということで128GBに。

128GBとはいえ、3,000円ちょいで買えちゃうんですねぇ。すごい。

ということでなんとか本体価格をぎりぎり上回らない感じで収まりました。そこまでする価値があるのか全く意味不明な展開になってきましたがw

まあこれを代わりに取り付けると当然ながらWiFiが使えなくなりますが、USBのWiFiモジュールが転がっているのでそれを付けて我慢してもらうことにします。




M.2 SSDを認識させるまでの手順

手順として、一番カンタンと思われるのは、以下になります。

  • Ubuntu 20.04などのライブUSB(インストール無しで試しに使えるUSB)を作りそこから起動する
  • ddコマンドを使って、eMMCの内容をそっくりそのままM.2 SSDにクローンする
  • Gpartedを使って、Cドライブ用のパーティションの直後にある回復パーティション?をSSDの一番最後の領域に移動する
  • 移動して空いた分を、Cドライブ用の領域として拡張する
  • 再起動してWindows10を起動する
スクショ取ってなくてすいません。

ちなみに、この作業をしていて、Ubuntuなら軽そうだし、いっそUbuntuをインストールしちゃえばいいんじゃね?とか、Chromebook化したほうが寿命が伸びんるんじゃね?とか心のなかで葛藤がありましたが、ビギナーにそんな事を言ってもしょうがないのでw

で、結果論でわかったのですが、まるごとクローンするのが実は重要で、
  • 同じIDのストレージが2台あると、2台目はWindowsがオフラインにするので認識されなくなる
  • eMMCとPCI(M.2 SSD)では、一応PCIが最初に認識されるらしく、2台目がeMMCになるらしい(なので都合よくeMMCはオフラインとなる)
  • 結果、M.2 SSDがCドライブとなってWindows10が起動する
と、うまいこと希望の結果を得ることができました。

結局のところ、そんなに劇的に早くなってはいない気もしますが、少し我慢すればそれなりに使えるくらいにはなったんじゃないかと思います。ということで所有者に返却。

その後、もし持ち主が要らなくなったらChromebookかUbuntu用として引き取るからいつでも言ってと伝えてありますw

現場からは以上です。

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