いわゆるJ-3100アーキテクチャのDynabookは、中の人にとっては若かりし頃の存在としては大きいものでしたが、入手して使う機会はなく、時が過ぎていました。
若干の気の迷いもあり、オークションでJ-3100 Dynabookをいくつか入手しましたが、起動できる個体には出会わずじまいでした。
今回、どうにか起動できる個体にめぐり逢いましたのが、Dynabook EZ486Pです。
まあ、パッと見としてはノートPCではなく、ワープロです。
↓このページなんかを見ていただくとわかりますが、完全にワープロとしての扱いですね。
https://item.rakuten.co.jp/kmscopy/k1565/
この、EZ486Pは、Dynabook EZシリーズの特徴である「ROMでアプリケーションソフトを提供」を活かしつつ、プリンタを内蔵することで、パソコンがわからなくてもワープロソフト(一太郎dash)を使えてしまう=ワープロ専用機と使い勝手がほぼ同じ という仕上がりになっており、これが市場ではワープロ専用機寄りに扱われている所以でしょう。
しかし、PC利用側の視点から見ると、実はEZ486PはDOSもROMで提供されていて、DOSの起動も早いパソコンであるともいえます。さらにROMですから内容が失われることがないため、HDDが不調になったり起動しなくなっても最低限DOSは必ず使えるという安心感がありますね。
特にレトロPCですとHDDなどいつ寿命が来てもおかしくなく、オークションなどで入手してもOSのインストールディスクやリカバリディスクがあることなど稀ですので。
で、今回中の人が入手したDynabookEZ486Pですが、残念ながらFDDが故障していました。それじゃ、HDDにOSインストールもできないじゃないかと・・・
しかし、この機種はROMにDOSが内蔵されているため、OSインストールはFDがなくても可能なのです。
format C: /S
でCドライブをDOS起動用としてフォーマットできます。ただし、EZ486PのDOSはバージョンが3.1なのですが、この時代のDOSはHDDのパーティションが32MBまでしか認識できません。
あとは、必要に応じてROM DOSのドライブから必要なファイルやコマンドをC:ドライブにコピーすればHDDでDOSが起動できる環境が整います。
HDDは2.5インチIDEのものが使えそうですが、令和の世の中で2.5インチのIDE HDDはなかなかレアになってきていて、手に入りにくそうです。ということで中の人はずいぶん昔に買ってあったIDE-SD変換アダプタを使って、こんな感じでやってみてます。
こうすると、PCにSDカードを挿せばPCからDynaへファイルを持っていくことは可能になります。
とりあえず、最低限のファイルのやり取りはできるんですが、転送したいファイルが出てくるたびにこれを本体からつけ外しするのはそれなりに手間ですので、やっぱりリムーバブルなメディアがほしいですよね・・・
っていうことで、こいつです。
パラレルZIPドライブですww
Dynabook EZ486Pには、USBもなければ、PCMCIAスロットもありません。それなりの容量のリムーバブルメディアでDynabookに繋がりそうな望みがあるのは、こいつくらいしかないんですよね。
で、IOMEGA標準のDOSのドライバも探し出して、試すわけですが全然認識しないのですよね。
途方に暮れかけたときに、ドライバを探している途中で偶然目に入ったページがこちら。
PALMZIP.SYS
https://peichl.leute.server.de/peichl/palmzip.htm
このページに、なんと衝撃的な文言が。
「DOS4.x以降が必要」
そう、DynabookEZ486PのDOSは3.1・・・
ということで、早速こいつを試してみました。
結果としては、うまくいきました。ただ、EZ486Pはプリンタ内蔵かつパラレルポート内蔵なので、LPTデバイスのどれがパラレルポートでどれがプリンタなのか、情報がなくてさっぱりわからず、何度かの試行錯誤を経て認識に至りました。
あと、PALMZIP.SYSのページからはデモ版しかダウンロードできません。有料でレジストすると正式版が使えますが、連絡手段がメールとかなので、外国だと決済にちょっと不安があります・・・。
ちなみにデモ版の主な制限は以下の通り。
- 起動時のドライバ読み込みに30秒かかる(意図的にウェイトがかかります)
- 起動後7分まで利用でき、それ以降にZIPにアクセスできない
果たして世界で何人この情報が有益に機能するのかさっぱりわかりませんが、動作時の中の人のEZ486Pの主な設定状況を写真で載せておきますね。
無事にZIPドライブも認識したのですが、問題がまた一つ。
これは、PALMZIP.SYSでZIPディスクを使うために必要なZIPMANというコマンドの実行の様子なのですが、実はPALMZIP.SYSは、DOS2.Xや3.Xのような古いDOSがパーティションサイズの上限32MBという制約があるために、このドライバ特有の特殊なファイルシステム(32M/FAT16)でディスクアクセスを行います。
これは残念ながらこのドライバ特有のファイルシステムであるため、他のOSでZIPドライブを認識しても、ファイルシステムが認識されず、ファイルが見えないという結果に。。。
いったん、バックアップメディアでなら使えそうという目処が立ちましたが、次のエントリではなんとかこれを普通のWindowsPCからでも読めるようにしたいと思います。
もし、首尾よくいけば、エントリが上がると思いますので、お楽しみに。
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