リアタイMSXユーザーであった中の人が、令和の世になって再びゼロベースからMSXの実機を入手し、FDDのない実機でFDゲームを動かすまでの記録です。
凡例:
MSX関係は一旦断舎離してしまったので、ほとんどのものは手元になかったのですが、数少ない手元に残っていたブツがありまして。
MSX・FANの付録ディスクです。
今にして思うと、結構すごいと言うか、エミュレータではないけど発売後相当年数が経った市販ソフトを付録ディスクに収録していたんですよね。元祖ProjectEGG的な。
とはいえ、再度入手した実機にはFDDは搭載されていないので、MSXで直接FDを読むことはできません。まあ、オークションを当たれば、入手できないこともないのですが・・・。
ということで、MFRやMSXDISKなどのディスクイメージベースでやってみようかと。
とはいえ、FDDがないのにどうやってイメージ化するのかって話ですけどw
需要が少なくなったとはいえ、現在でもUSB接続のFDDはあるので、WindowsPCでもFDの内容を読み出すことはできます。
ただ、出回っている殆どのUSB FDDは1.44MBの2HDディスクにしか対応していないので、MSXの720KB/2DDのディスクは読めないことが多いんですね。中の人もUSB FDD持ってるんですが、やっぱりダメでした。
やはり、古いタイプのディスクを読むのは古い機械、というわけではないのですが、中の人は令和になってMSXだけじゃなくて、実はPC-98も再入手していましてw 後期PC98のFDDは3モード(720KB/1.2MB/1.44MB)に対応しているので、2DDのディスクも読み出せます。
イメージファイルを作るには、イメージファイルに含めたいファイル(この場合は付録ディスクに収録されているファイルですね)を入手して、PCに移さなければいけません。
ということで、
- PC98上で付録ディスク(2DD)内のファイルをHDDなどにコピー
- HDDにコピーしたファイルをUSB FDDで読める2HDディスクにコピー
- 2HDディスクの内容をUSB FDDからWindowsPCのHDDにコピー
で、MSXFAN付録ディスクの内容をWindowsPCに持ってきます。
続いて、このファイルからディスクイメージ(DSKファイル)を作ります。
- ブラウザからWebMSXを起動します。
- ドライブAのアイコンをクリックして「Add Blank Disk」を選択します。
- ブランクディスクが追加されます。
- 同じメニューの「Import Files to Disk」を選択します。
- 先程FDから持ってきたファイル群を選択します。
- ブランクディスクにファイルが追加されます。
- 「Save Disk Image」を選択するとディスクイメージファイルがダウンロードされます。
あとは、これをMFRに入れるなり、MSXDISKにセットするなりして起動すればOK!
・・・って、思うじゃないですか。これがですね、起動しないんですよ。
(追記:正確に言うと、ディスク1は起動はしますが、autoexec.basの実行でエラーになります。ディスク2もDOSは起動するのですが、ザナドゥのディスク作成ツールで、ディスク2を正しく認識しないようで、「ディスクガチガイマス」的なメッセージになって先に進みませんでした)
(追記:正確に言うと、ディスク1は起動はしますが、autoexec.basの実行でエラーになります。ディスク2もDOSは起動するのですが、ザナドゥのディスク作成ツールで、ディスク2を正しく認識しないようで、「ディスクガチガイマス」的なメッセージになって先に進みませんでした)
これも詳しく裏取りしていないのですが、おそらくは、MSX・FANの付録ディスクは今回のオールディーズのゲームソフトなどの権利物が含まれることもあり、複製防止のためのなんかしらのプロテクトが掛かっていたのではないかと思われます。
で、どうするかなんですが。
2DDのディスクを物理的に読み出してイメージファイル化し、これをDSK形式に変換するという手順をとってみました。
- MAHALITOで2DDディスクを物理的に読み出してイメージファイル化(.2dd/.dat)する
- Virtual Floppy Image ConverterでDATファイルをD88形式に変換
- NFCC Web版を使ってD88形式のファイルをDSK形式に変換
MAHALITOで2DDディスクをイメージファイル化
PC98用のディスクイメージ化ツールで「MAHALITO」というツールがあるので、これを利用します。
凡例:
MAHALITO <コマンド> <オプション> <転送元> <転送先>
例えば、ディスクドライブが「A:」の場合、次のようにするとイメージファイルが作成されます。
mahalito a -2dd a: mfan29-1
「a」はFDからイメージファイルを作成するコマンドです。
「-2dd」はディスクのフォーマットを指定するオプションです。
「mfan29-1」はイメージファイルの名前です。
すると、「mfan29-1.2dd」と「mfan29-1.dat」という2つのファイルができます。
Virtual Floppy Image ConverterでDATファイルをD88形式に変換
MAHALITOで作ったイメージファイルは、直接DSK形式に変換できないっぽいので、いったん、D88形式に変換します。そのために、Virtual Floppy Image Converterをダウンロードして適当なフォルダに展開し起動します。
出力形式を「D88形式」にして、〜.2ddファイルを選択すると、拡張子「.d88」のファイルができます。
NFCC Web版でD88形式のファイルをDSK形式に変換
D88形式のファイルを「NFCC Web版」でDSK形式に変換します。
- 変換元ファイルに、D88形式のファイルを指定します。
- 変換先ファイル名を「MFAN29-1.DSK」などに指定します。
- 変換先形式を「べた」に指定します。
- 「変換してダウンロードする」ボタンをクリックするとDSKファイルがダウンロードされます
これでできたDSKファイルをMFRやMSXDISKで起動すれば、めでたくMSXFANの付録ディスクが起動します。
仕上げは、本題のザナドゥのディスク作成ですね。
ディスク作成用に、ブランクディスクのイメージが必要なので、さきほどのWebMSXを使って、ブランクディスクのディスクイメージを作っておきましょう。
- ブラウザからWebMSXを起動します。
- ドライブAのアイコンをクリックして「Add Blank Disk」を選択します。
- ブランクディスクが追加されます。
- 「Save Disk Image」を選択するとブランクディスクのディスクイメージファイルがダウンロードされます。
MFRでは、いったんNextorDOSを起動して、
emufile MFAN29-1.DSK MFAN29-2.DSK BLANK.DSK
のようにコマンド実行して、1〜3でフロッピーディスクイメージが切り替わるようにしてから再起動します。
(MFAN29-1.DSKが付録ディスク1、MFAN29-2.DSKが付録ディスク2、BLANK.DSKがブランクディスクのイメージファイルです)
(MFAN29-1.DSKが付録ディスク1、MFAN29-2.DSKが付録ディスク2、BLANK.DSKがブランクディスクのイメージファイルです)
ザナドゥのディスク作成プログラムを起動すると、ディスク2とブランクディスクを交代でセットする必要があるため、ブランクディスクをセットするタイミングでは「3」を押しながらスペースキー、ディスク2をセットするタイミングでは「2」を押しながらスペースキーを押します。
これで、めでたくザナドゥの起動ディスクイメージファイルが作られました。
で、起動まではこぎつけたんですが、
タイトル画面の直後に「WRITE ERROR ON DRIVE B」と表示されて先に進めなくなります。
これは、ユーザーディスクを作成していないからということなんですが、これは、起動ディスクからの起動時に「CTRL」と「F1」を押しながら起動すると、ユーザーディスク作成モードになって、さらに別のブランクディスクにユーザーディスクを作ることができます。
これで、本当にめでたくザナドゥで遊べます。
お疲れさまでした。
PC用の市販されているUSB-FDDで、普通にMSX用のディスクは読めるのではないでしょうか。(少なくとも私は、特に何も考えずに購入した2000円くらいのUSB-FDDで読めています)
返信削除エクスプローラーではアクセスできないかもしれませんが、例えば以下のようなツールを使えば、1DDでも2DDでも、一発でMSX用のディスクイメージファイルにしてくれるので、便利です。
★Disk-Manager
http://www.lexlechz.at/en/software/DiskMgr.html
匿名さん>
返信削除コメントありがとうございます!
そうなんですね〜。早速試してみたいと思います!
行けそうなら、記事に追記でご紹介させていただきますね。
匿名さん>
削除こちら、試してみたのですが、やはり手元にあるUSB FDDでは認識できなかったです。
ただ、2DDでも読めるUSB FDDなら上記のようなツールを使えばかなり手順がカットされて便利そうですね~ MSX実機のFDDを入手するよりはハードルが低そうなので、2DD対応のUSB FDDを探してみましょうかね・・・