[今更誰得] CASIO PB-1000海外版でカナ入力する方法について #カシオ #ポケコン

海外版PB-1000を入手してウキウキしていた中の人ですが、同じPBでもPB-100系では心配する必要がなかった点について、完全に忘れていた事実に直面します。

海外版には、カナ入力のための「カナ」キーがない

日本版のPB-1000には、キーボードに「カナ」キーがあり、英数字入力とローマ字カナ入力を切り替えることができます。

キーボードの様子は、PB-1000で画像検索していただけばわかりますが、中の人が入手した海外版には「カナ」キーがそもそも存在しません。

そう、PB-100系はそもそもカナ入力がないので、以前FX-730Pを入手した時も何も考えずFX-740Pのメモリ少ない版として使うことができたのですが・・・

と、この様子を見て、古参のカシオポケコンマニアの皆さんなら、もうお気づきかと思いますが、これは単に海外版が「カナ」キーのキートップをキーボード上に持っていないだけで、内部の部品、回路的にはちゃんとカナキーは存在していますから、ここに穴をあけてキーを取り付ければカナ入力も思いのまま・・・だと思われますが、といって2020の現在において30年以上の前のビンテージポケコンに傷をつけるのはリスクが大きすぎます。

ですので、

ま、別にカナくらい入力できなくたっていいじゃない、ポケコンだもの

などと思って自分を落ち着かせていたところ、CASIO PB-1000 FOREVER!でおなじみのJun AmanoさんにTwitterで教えていただきました。

ということで、そのまま実践したらできちゃいましたw
ちなみにそのあとさらに自分でも資料をあたったところ、&H68D7に「8」を書き込むとCAPSキー押下時の英小文字モードにもできるようです。

と、ここまででも大いなる前進なのですが、中の人的にはヘボですけどポケコンといえばプログラミングなので、せめて、プログラムのコード内にカナが入れられるくらいまでは試したいと思いました。

Amanoさんに教えていただいた方法にもあった、[IN][OUT][CALC]キーによる数式記憶機能は、実際に計算をさせることも非常に有用なのですが、入力内容のコピペをするためのクリップボード代わりに使うというのが激しく有用なので、この手段を英数←→カナ切り替えでつぶしてしまうのはもったいないなと思い、別の使い方を模索してみました。

マニュアルを読んでみると、PB-1000にはpreset機能というものがあり、CALモード限定ではあるのですが、任意のプログラムをタッチキーに登録して好きなタイミングで実行することができます。

まず、教えていただいたPOKEで英数、カナを切り替える操作をプログラムとして作成します。


1 REM SWITCH INPUT MODE(0=Alpha,1=Kana,8=Small)
10 M=PEEK &H68D7
20 IF M=8 THEN M=0 ELSE M=ABS(M-1)
30 POKE &H68D7,M
		

※印刷イメージの表示には、PBロッキーさん(https://blog.pb-100.ga/)作の"hamura.css"(https://github.com/PB-100/hamura.css)を利用させていただいています。

このプログラムを作成したら、一度このプログラムを実行して、カナ入力に切り替えたあと、次の操作を行います。

  1. 「ア」と入力した後、「CAPS」を2回押します。(カナモードでCAPSキーを押すと、「英小文字」→「英大文字」に入力モードが遷移します。
  2. 「ア」の位置にカーソルを動かし、INSを2回押して2文字分空白をあけます
  3. 「ア」の前に「A/」と入力します


  4. [IN]キーを押して「A/ア」という文字を記憶させます(コピー)
  5. [MENU]キーを押してメニューを出してから、[LCKEY]を押してメニューを切り替えます
  6. ファイルの選択が、名前のない「  .B」(今作ったプログラム)になっていることを確認して、LCDの[name]をタッチします
  7. 「new name?」と表示されるので、[OUT]キーを押してコピーしておいた「A/ア」という文字を表示させ、[EXE]を押してファイル名を変更します


  8. そのまま[LCKEY]を押して、LCDの[preset]をタッチします
  9. ファイル名が「A/ア.*B」のように「*」が付いたことを確認します


  10. [CAL]キーを押して電卓モードにするとLCDの最下行に[A/ア]と表示されています

これで準備完了です。以後、英数とカナを切り替えたいときはLCDの[A/ア]をタッチします。プログラムのエディット中にはこのモード切替プログラムは実行できない(はず)なので、もちろん、純粋なカナキーがある環境よりはやや面倒なのは否めないのですが、入力したいカナ文字はCALモードで入力してから[IN]でコピーし、プログラムのエディットに戻って文字を入れたい箇所で[OUT]を押せばペーストされますので、それなりに使えるのではないかと思います。

CALモードでカナ英数混在の文字列を入力

あくまで疑似的な切り替えですので、切り替えを実行するたびに画面はクリアされてしまうため、シームレスにカナと英字が混じった文字列を書くのはちょっと難しいです。かろうじて、の方法としましては、先にカナモードでカナを打っておき、英数を入れたいところでCAPSキーを2回押せば画面を消去せずに英数モードに戻れますので、あとから英数字を入れるようにすれば、1回の入力中にカナと英数が混在した文字列を入力することができます。

プログラム中にカナ文字を入れる手順はこんな感じでしょうか。

プログラムで途中まで入力します。(例: 10 PRINT " まで入力)

途中まで入力

CALモードに戻り適当な文字列を入力した後、[IN]で文字列をコピーします。
プログラムのエディットモードに戻って、必要な個所で[OUT]を押して文字列をペーストします。カナモードのままコピーしてエディットに入ってしまった場合は、[CAPS]を2回押して英数モードに戻せば、プログラムの続きを入力できます。

表示させたい文字列をペースト

LCDの[run]をタッチしてプログラムを実行すれば、当然ですがその通りにカナ文字も表示されます。

実行結果


と・・・ただでさえ現在では希少種であろうPB-1000のしかも海外版のノウハウを記事にしてしまうなんて、なんという誰得記事・・・

日本のオークションやフリマでもたまーにPB-1000が出ますが、eBayでもやはりたまにPB-1000が出品されているので、もし海外版を落札してしまった方がいらっしゃれば、参考にしていただけましたら幸いです。

現場からは以上です。


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