[pomera] DM200と往年の名機OASYS Pocket3(とカシオの迷機)を比較する #pomera #DM200

ポメラの3桁ナンバーモデルを見たとき、オジサンモバイラーなら誰しも、この形状には強い印象を持ったことでしょう。

横長ボディのクラムシェルは、モバイル機器のひとつのスタイルとして確固たるポジションを築いています。

古くはHP200LX、シグマリオン、モバイルギア、OASYS Pocket、カシオペア・・・PCならリブレット、VAIO Pあたりでしょうか。

実機はないのですが、たまたま手元にOASYS Pocket3のカタログがあったので、DM200とOASYS Pocket3を比較してみたいと思います。
(画像は、OASYS Pocket3のカタログより)








※1 PIM機能は「カレンダー」「スケジュール管理」「TODOリスト」「プロジェクト・シート」「アラーム」「世界時計」「電卓」を含む

いかがでしょうか。
発売時期が20年以上も離れている両者ですが、実は、結構似ているところもあるなあと思いますよね。

DM200は「テキスト入力のみで5万円台は高すぎる」などと揶揄されましたが(中の人も実際、定価では買わなかったと思う)、OASYS Pocket3はなんと税込みで10万円超えです。DM200の倍ですねw 中の人も当時は若かったので、すごく欲しかった記憶があるのですが、完全に高嶺の花という感じでしたね。

機能面でOASYS Pocket3が特徴的なのは、PIM機能でしょうか。今時の若い方にはPIMという用語自体がクエスチョンかもしれないですね。あ、ちなみにPIMはPersonal Information Managerの略称です。連絡先、スケジュール管理、メモ、TODOリストのような情報管理ツール群を当時そう呼んでいました(中の人が大好きなPalmはPIMが大変充実しておりましてですね・・・w)。

今でこそどんなスマートフォンにも搭載されているようなそれらアプリですが、当時はスマートフォンはもちろん影も形もなく、PDAに代表されるモバイルガジェットは、PIMの搭載が重要なセールスポイントだったので、OASYS Pocket3も当然PIM機能の充実は必須だったようですね。単なるPIMにとどまらず、プロジェクト管理機能があるあたりがなんとなく富士通っぽいですw

また、時代は違えど、両者には共通点も結構あります。
まずキーボードが両者ともにJIS・親指シフトの両方に対応しています。OASYS Pocket3はハード的にどちらかのモデルを選択して購入することになりますが、DM200はソフトウェアで両者を切り替えることができます。中の人は親指シフトには馴染みがないですが、OASYSというワープロを愛用する文筆家やFMシリーズからの富士通PCフリークに根強い支持があるようです。また、マニアの玩具としての側面として、通常のモードから切り替えて使う手段として、OASYS Pocket3についてはDOS化、DM200についてはLinux化と、これまたなんだか近い感じです。

画面に表示できる文字数も、ぴったり同じではないですが、なにかこう、近いものを感じてしまいますよね。実は、OASYS Pocket3が11行分も画面があるという認識がなかったので、ちょっとびっくりでした。

DM200に内蔵されている電子辞書は、OASYS Pocket3にはありませんが、実は電子辞書はオプションのF.ROMカード(富士通独自規格のPCカード。携帯ゲーム機のカードを入れ替える感覚でソフトを供給できた)で提供されていました。オプションではあるものの、電子辞書機能があるところも近い感じですね。テトリスのF.ROMカードもあったようです。これもまた時代ですねw

1990年代はスマートフォンがなく、モバイルガジェットがワープロや関数電卓的なものから発展して、通常のPCで出来ることをできるだけ取り入れようと進化していた時代でした。対して2010年代は、スマートフォンによって、モバイルガジェットの高機能な部分はほとんどカバーされてしまいましたが、その形状からキーボードがなくなり、テキストエディットの用途が抜け落ちてしまいました。そこを代替するデバイスとして、pomeraが登場したと考えると、90年代のOASYS Pocketと2010年代のpomeraは、かなり異なるニーズやベクトルから生み出されていながら、それでいて何か似通ったモノとなっていることが、なんだか興味深いですね。

<おまけ:往年の迷機 PW-1000>
中の人は実はOASYS Pocket3よりも前に、同じタイプのワープロを持っていました。それは、CASIO PW-1000。ハンディタイプでフットプリントはいわゆる横長クラムシェル。プリンタは別になっており、メモリカード経由でプリンタに印刷させるという、時代を先取りしつつ、価格も34,800円とカシオらしい野心的な価格でした。表示性能が12文字x2行とポケコン並みでしたが、当時は楽しんで使っていたものです。興味のある方は調べてみてください。カシオの公式サイトでもちょこっと紹介されています。
製品のあゆみ(カシオ公式サイト)


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