[WILLCOM] ウィルコムの会社更生法申請についての雑感(3)

ということで、起きてしまったことの整理はそんなものでいいと思いますが、さて次に考えるべきはこれからのことでしょうか。

これから起きると思われることをいくつか箇条書きにするとこんな感じでしょうか。

(1) PHSとXGPのゆくえ(一体での再生か、分社での再生か)
(2) WILLCOM CORE 3Gのゆくえ(docomo MVNOが継続できるのか)
(3) 店頭での販売はどうなるのか

■ PHSとXGPのゆくえ(一体での再生か、分社での再生か)

まず(1)から。メディアの報道では「PHSとXGPで分社化され、PHS会社はアドバンテッジパートナーズ、XGP会社はソフトバンクが支援する」という予測が見られ、これが割と信じられているような雰囲気です。私個人としてもこのストーリーを希望していますが、さてこれはどれくらい現実味があるものなのか。

これを考えるには、やはり飛ぶ鳥を落とす勢いのソフトバンク様が何を考えているのか、つまりは出資に見合うリターンとして何を求めているのか、を推測するしかないでしょう。

(a) 契約者数

たぶん…なんですが、ソフトバンクはdocomoを追い抜くまでは考えてないと思うのですが、実はなんとかしてauは追い抜きたいと思っているんではないかと思うのです。でなければ、ホントに儲かってるのかどうかもわからないような売り方で純増1位に固執する理由が分かりません。

で、2010年1月末時点での両者の契約数ですが、

au :3,144万契約
SBM:2,185万契約

ということで、その差実に1,000万契約。

いくらSBMが今の純増ペースを維持し続け、auの低調が続いたとしても、1,000万の差を詰めるには、SBMが15万/月、auが5万/月と仮定しても、100ヶ月(8年4ヶ月)かかる計算です。まあ、あまり現実的な数字じゃないですね。

それが、ウィルコムの契約者数(2010年1月末で424万契約)がここに乗るとしたらどうでしょう。

au : 3,144万契約
SBM+WILLCOM : 2,609万契約

となり、その差535万契約と、差は一気に半減します。で、可能不可能はともかく、どうせ仮定の話なので、この際勢いでイー・モバイルなんかも傘下に収めたりすると、プラス218万契約で、2,827万契約となってその差317万契約。ここまで来ると、もしかしたら3年以内にauを追い抜くかもしれないというストーリーが、あながちありえなくもないような射程圏内になってきます。

(b) XGP技術及び2.5Ghz周波数帯

契約者数もそうですが、SBMがそれ以上に強い執着を見せているのが周波数帯です。現有している周波数帯の設備投資ももう十分と言い張って追加投資を抑制しているらしいSBMが、設備もほとんど整備されていない新しい周波数帯を入手してどうするのか?という気もするのですが、過去にはイー・アクセスと組んでこの周波数帯の獲得を争った経緯があるわけですから、欲しいか欲しくないかといわれれば、やはり欲しいのでしょう。

幸いにしてXGPはまだ設備の整備もまだまだこれからで、今ならご破算にしても失うものは少ないでしょうし、確かXGPの設備はWiMAXのそれに流用が効きやすい?という話もあったような気がしますので、SBMがこれらを獲得した暁には、2年前にやるはずだった2.5Ghz帯の事業計画をいよいよ実行に移すことができるというわけです。

そんなわけで、SBMがXGPを入手したとしても、XGP技術そのものはおそらくお蔵入りすることになると思われます。

しかし・・・当ブログの悪い頭ではどうにもXGP及び2.5Ghz帯をSBMが入手したとして、SBMにプラスになることがそんなにあるものなのか?と思ってしまうのです。ウィルコムがXGPへの投資を渋られたように、そもそもWiMAX系がこれからそんなに伸びるのか?と。しかもSBMはLTEだってやるんですよね?WiMAXとかやってる余裕があるのか?と思わずにはおれません。

もしかしたらもしかして、この周波数帯を既存の3G電波に使うなどという秘策もあるのかもしれませんが、免許交付の条件とかを考えると、簡単じゃないですよね。

と考えると、分社化っていうのがどうも私にはイメージしにくいというか、SBMがトクする印象が沸きにくい、そんな感じです。

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もちろん、私の個人的希望は、XGPはすっぱり諦めSBMに周波数帯ごと譲り渡し、PHS単体はSBMと一切の関係を持たずに再生を模索する、というストーリーです。

どのみち、PHSの生き残りは茨の道でしょうが、仮にウィルコムがまるごとSBMに吸収されたら、現PHS加入者はそのままSBMに巻取られてPHSは捨て去られることは確実でしょう。分社して他の事業者を入れずに存続前提で進めれば、勝算は少ないにしてもPHS愛好家にとっては希望が残りますからね。

なにより、個人的にはWILLCOMにSBMの血が入るなどという事になったら、おぞましくて、拒絶反応が起きてショック死してしまうかもしれません。PHS本体にSBMの出資がなされた日には、WILLCOMを解約し、その足で泣きながらdocomoに契約に行くことでしょう・・・。

ということで、(2)(3)の話は、次あたりでまとめて。

コメント

  1. バックボーンをNTTのからソフトバンクテレコムのにするとか...
    NTT1000億→SBT700億になるらしい?

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  2. horamonさん>

    コメントありがとうございます。
    とすれば、PHS本体に出資するのもメリットがあるということでしょうかね。SBM(というかソフトバンクグループですね)にとっては。

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