[WILLCOM] ウィルコムの会社更生法申請についての雑感(2)

前のエントリにて、数字的にまずい状況だったのは分かりました(自分も調べながら書いてますので)。

■ 銀行が返済猶予・リファイナンスを渋ったのはなぜか

で、2期連続黒字の企業に対して、返済猶予もリファイナンスもしてもらえなかった理由とは何でしょうか。以下は完全に当ブログの推測になりますが、やはり以下2点になるでしょう。

(1) 本業(PHSサービス)の縮小
(2) 新規事業(XGP)の先行き不安

まず(1)については、もうここで語るまでもなく、21年3月期の段階で営業収益(売上)も下がっていますし、さらに2009年の1年間で30万契約の減少です。1回線あたりARPUを2850円(21年度IRを参考に)としても8億円の売上減。全体の売上が200億ですから、それだけで会社が傾くほどとは言えないかもしれませんが、とはいえこれが何年も続くような会社は間違いなく先行き不安です。ちなみに前年度は5万契約ほどの減ですが、売上が50億円ほど減少していました。これはARPUが3480円→2850円と減っていることが大きそうです(単純計算で28億円の減)。

そして(2)について。これもまったくの推測ですが、20年度から21年度にかけて、前エントリにあった「1年以内期限到来固定負債」がどっと増えているのが、もしかするとXGPの設備投資資金だったりしないのかなと思ったりしています。たまたま期限が集中しただけなのかもしれませんが。

それはともかくとしても、まあXGPが将来性のある、売上の見込める技術であれば、銀行だってそれなりには融資をしてくれるでしょう。が、残念ながらそうではなかった。

競合と目されるUQ WiMAXが一足早くサービスインして、設備投資も旺盛にやっているわけですが、12月末時点で契約数は7万弱。イーモバイルの初年度12月が20万契約だったのを考えるとあまりに寂しすぎる数字です。で、これを後から追うウィルコムは設備投資も遅れていて、有料サービスインもまだできていない状態。市場全体が大きくないところへ、さらに後から参入して、設備もこれからです、って言われて、融資ができるかと言われれば、それは厳しいんじゃないでしょうか。

さらに追い討ちをかけるように、メインのPHSの不振が思いのほか速く訪れたことが、ただでさえ堅かった銀行の財布の紐をなおさら堅くした、というのが当ブログの推測です。

つまり前エントリに書いた2つの足かせとは、「PHSの急速な不振」と「XGPの先行き不安および出遅れ」という2つです。

まあ、当たり前というかそりゃそうだろという結論ですけどね。

また続きます。

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